キスゲ平は赤薙山の中腹、標高1,300m~1,600mにかけて広がる高原です。3月下旬のマンサクから始まり、4月~6月にかけてはカタクリやツツジ類など、100種類を超すたくさんの種類の花が春から秋まで楽しめます。その中でも6月中旬から7月にかけて咲くニッコウキスゲの群落は一見の価値があります。
ニッコウキスゲは山地や高山の草原などに群生する多年草です。約10cmの濃い黄色の花を3~4個付け、下から順番に咲いていきます。
全国の高原で見られますが、日光に多く自生していたことからニッコウキスゲという名前で呼ばれています。
リフトに乗ってキスゲを見たという記憶がある方も多いと思いますが、リフトは平成22年にすべて廃止されました。
現在は遊歩道と天空回廊と呼ばれる1,445段の階段が整備され、ゆっくり眺望や草花を楽しみながら歩いて園内を散策していただけます。
園内の中腹までは階段を使わずに、遊歩道のみを利用して行くことが出来ますので、階段はちょっと自信がないなと思う方も安心して園内を散策していただけます。
キスゲ平には5月から10月まで、様々な花を楽しむことが出来ます。
最新の情報は自然情報をご覧ください。
標高が1,300mを超えるキスゲ平では、草花だけでなく、素晴らしい風景も楽しむことが出来ます。特に空気が澄んだ冬は、東京スカイツリーや富士山が見られる日が多くなります。
標高1,300m~1,600mに位置するキスゲ平の気温は、関東地方の平地と比べ、8℃~10℃低くなります。夏は涼しく大変快適です。ニッコウキスゲが咲く初夏の頃はまだ肌寒く、霧降高原の地名のとおり霧の日が多くなります。霧の日は日差しがなくさらに寒く感じますので、服装は暖かくしてお越しください。
夏は、雷雲が発生しやすく、急な雷雨に見舞われることがありますのでご注意ください。
キスゲ平は、昭和40年に日光市がスキー場を開設し、首都圏に近いスキー場として親しまれてきましたが、平成16年に閉鎖されました。この間、ゲレンデ整備のため毎年刈払いが行われ草原状態が維持されてきました。
このように人間の手が入ることによって維持される草原は「半自然草原」と呼ばれ、日当たりの良い環境に適応した植物が生育します。かつては牛馬の飼料とするための採草地など、半自然草原が各地にありましたが、今では珍しくなってしまいました。
様々な花が咲くキスゲ平の半自然草原を維持していくため、今では毎年秋に刈り払いを行っています。
また、草地管理試験区を設け、適切な草原管理の方法を研究しています。
毎年、地元ボランティア、有志団体、市職員等のご協力を得ながらキスゲの補植活動を行っています。
昭和の終わり頃から平成の始めにかけて、シカの食害によりキスゲが激減しました。このため日光市では平成6年にシカ侵入防止柵を設置、園地出入口には回転扉などが設置されています。
柵を維持していくため、定期的に巡視点検を行っています。
近年、本来その地域に生息していなかった外来種が増加し、在来種が減少するといった問題が各地で発生しています。キスゲ平園地においてもオオハンゴンソウが増加しつつあることから継続的に除去活動を行っています。。
令和4年度は、¥294,762の募金が寄せられました。
この募金は、年2回行われるニッコウキスゲの補植にかかる費用に活用させていただきました。